宇宙はいかに始まったか? ~インフレーション理論の展開~

講演時間 = 10月30日(土)14:05-14:50

「宇宙は誕生直後、指数関数的急激な膨張をした。この加速的膨張が終了するとき宇宙は加熱され火の玉宇宙となった。またこの加速的宇宙膨張時の量子的揺らぎが空間的に大きく引き伸ばされることによって、後に超銀河団、銀河団などに成長する”種”、密度揺らぎが創られた。」
このシナリオ、インフレーション理論は大統一理論と呼ばれる力の統一理論と一般相対性理論を組み合わせることにより提唱されましたが、その後の理論的発展によって多様なインフレーションのメカニズムが提唱されています。超ひも理論に基づく膜宇宙でのインフレーション理論も盛んに研究されていますが、確定的なメカニズムは知られていません。しかしインフレーション理論はNASA、COBE衛星による宇宙背景放射の揺らぎの発見など多くの宇宙論的観測によって強く支持され、初期宇宙のパラダイムとなっています。この講演ではインフレーション理論の歴史を振り返りながら宇宙論での意義、最近の展開について紹介します。

SPEAKER

佐藤 勝彦

自然科学研究機構長

1973年、京都大学大学院理学研究科博士課程を単位修得退学、1974、年理学博士。1976年京都大学助手。1982 年東京大学助教授、1990年に同教授、東京大学理学系研究科ビッグバン宇宙国際研究センター長(1999-2001, 2003-2005)、理学部長(2001-2003)などを併任。現在東京大学名誉教授、自然科学研究機構長。仁科記念賞、井上学術賞、紫綬褒章、学士院賞を受賞